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A n d T h e n ・ ・ ・?
小さな両手で大事そうに黄色いボールを抱えた少年に、母親は優しく微笑んだ。
「これはね、テニスのボールよ」
「テニス?」
「そう。ラケットっていうのでね、このボールを打つの」
「ふうん。おもしろいの?」
澄んだ青い瞳でじっと見上げてくる少年の淡い茶色の髪を撫でて、母親は頷いた。
「楽しいわよ。やってみたい?」
「・・・うん!」
「じゃあ、今度連れて行ってあげるわね」
「ほんとに?」
「本当よ。さ、行きましょうか」
両手でボールを持ったまま、少年は嬉しそうにうん、と頷いた。
「いつかどこかで」は祥子さんがこのイラストのファイルにつけてくださったタイトルです。
番外編にも通じることで、この少年(笑)の名前を出さずに、彼がどういう人物なのかをどうやって描写するかがポイントだったのですが、彼は目の色や髪の色に素晴らしい特徴を持っていてくれたので助かりました。
「幸せな家庭で育った彼」、というのをなかなか見ないような気がするのですが、このお話では彼は家族やみんなに愛されて育ったということにしてみました。
それは新しく生を受けても変わらないということで。
本編において「ジローのその後が気になる」とは言われたのですが、そういえばちょたのその後についても考えてませんでした(笑)。きっと一生懸命頑張ったのだと思います。
でもこのときはやっぱり先輩と後輩、なのかなあ、と。
次ページから番外編に関するものになります。
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